[スペックマニア] 32回

日本のスポーツ車 1960〜1990

第8回  ダイハツ・コンパーノスパイダー
(F40K型)1965年


最高速=145km/h 0-400m=18.5秒
(カタログ値)



イタリアンムードの快速オープン
 ダイハツが戦後初の試作乗用車を発表したのは61年10月の第8回全日本自動車ショーにおいてだが、このあたりから同社のヘ”イタリアン・ デザイン”への傾倒ぶりが顕著にうかがえた。
そして62年の第9回ショーへの出品作(コンパクト・バン)は、カロッツエリア・ヴィニヤーレのデザインになる作品だった。
 同社とヴィニヤーレとの結びつきはきわめて強く、またその作品の出来映えもすぐれており、ワゴン、バンにつづいて64年2月発売のコンパーノ・ベルリーナ800も均整のとれたシルエットが特徴的だった。
 そしてこの2ドアのみのベルリーナの屋根をとり払ってオープン化したのが、65年4月に発売されたコンパーノ・スパイダーだった。
 エンジンはFE型、直4、OHV、958cc(68×66mm)で、ソレックスの気化器を2連装して、出力65PS/6500rpm、最大トルク7.8kgm/4500rpmを発生した。
これに4速ギアボックスが組み合わされ、0〜400mが18.5秒、最高速145km/hをマークした。
 ラダー・フレームつきのため、オープン化は比較的容易で(サイドシルの断面増大、クロスメンバーの追加などの補強が行われた)車重も35kg増の790kgに押えることができた。馬力当り重量は12.2kg/PSとなる。
 イタリアン・ルックのボディは”シューティング・ライン”の愛称がつけられたが、価格は69万5000円と、トヨタS800(59.5万円)やホンダS600 (56.3万円)などより約10万円も高いため、その売れ行きは今一つのびなかった。
兄弟車に同一エンジン搭載のコンパーノGTがある。




機密性に優れた幌。脱着は約30秒とカタログにあるが、実際にはもっとかかった。
67年の夏、フェイスリフトをうけた後期型コンパーノスパイダー。ライトの大径化、グリルやバンパーのデザインが変更されたが、基本メカは共通。
木目のインストルメントパネルに黒い4眼メーター。ステアリングの型式はR&Bだが切れ味はなかなか鋭くロックtoロックは3.5回転。 OHVとしてはリッター当り出力が世界一!とカタログに謳う。ツイン可変ベンチュリーキャブでチューンされた958cc‐65PSエンジン。セダンのGTには機械式インジェクション仕様も登場した。

主要諸元  ダイハツ コンパーノ・スパイダー
カタログ
スカイダイビングの美女…・。
けっこう派手なカタログで「精悍な美しさで戦おう!」なんてコピーがある。
スパイダーの他にGT(2ドアスポーツセダン)も収録されている。
 エンジン 
   種類/型式
   ボアxストローク
   総排気量
   圧縮比
   最高出力
   最大トルク
   燃料供給装置
   燃料タンク容量
 トランスミッション
   型式
   変速比 1/2/3
         4/5/R
   最終減速比
 シャシ
   ステアリング
   サスペンション   前
               後
   ブレーキ      前
               後
   タイヤ
 ディメンション&ウェイト
   全長x全幅x全高
   ホイールベース
   トレッド    前/後
   最低地上高
   室内長x幅x高
   車両重量
   乗車定員

 車両価格(当時)
     69.5万円

直4OHV/FE
68.0x66.0mm
958cc
9.5
65ps/6500rpm
7.8kgm/4500rpm
ソレックスキャプx2
30リットル

4MT
3.766/2.834/1.418
1.000/−−−/5.277
4.556

R&B
Wウイッシュボーン/トーションバー
リーフリジッド
ドラム
ドラム
6.00−12−4PR

3795x1445x1350mm
2220mm
1190/1170mm
160mm
−−−−
790kg
4名

エピソード

今やオートマ時代。マニュアルなんて好きモノの・・・なんて風潮。
60〜65年まではATのAの字もスポーツモデルには出てこない。マニュアルのしかも、1速がノンシンクロのクルマも多かった。
走行特にエンジン回転数が合わないと2速から1選に入ってくれない。アクセルをあおりWクラッチでスポンと入れると楽しいもんであった。
コレ、出来た人は相当古いテクニシャン。
ちなみにこのコンパーノは4速フルシンクロ。次回のパプリカは1速がノンシンクロ。
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