[スペックマニア] 44回

日本のスポーツ車 1960〜1990



第20回  トヨタ クラウンHT・SL
(MS51型)1968年


最高速=165km/h 0→400m=18.3秒
(カタログ値)



”白いクラウン”のコピーでイメージを一新。

 クラウンは1967年(昭和42年)10月、2度目のフルチェンジで3代目のMS50系となった。
「白いクラウン」のコピーでハイオーナーカーのイメージを強調したシリーズだが、それをさらに徹底させたのが1668年(昭和43年)10月から追加された2ドアHTである。
 このクラスでは初のHTの設定は当然のことながら大きな注目を集めたが、それまでのタクシーや官公庁車、社用車など法人需要主体のクラウンからの脱皮をはかり、個人オーナー層に照準を合わせたトヨタの果敢なチャレンジともいえた。
 HTとHT‐SLの2グレードがあり、HTには6気筒、OHC1988cc、105PSのM型、HT‐SLには4ドアのクラウンSに載せていたSUツインで125PSのM‐B型エンジンを搭載した。クラウンSはHT‐SLの登場で廃止となった。
 セダンの丸型4灯ヘッドに対してHTは角型2灯へッドの採用などで個性を主張、SLはパワーウインドー、タコメーター、軽合金の特注ディスクホイールなどが標準となった。
安全対策にもぬかりはなく、衝撃吸収ステアリングなどの新しい工夫も見られた。
1969年(昭和44年)8月にはHTにシリーズ最高級モデルのスーパーDXを追加。
4ドアピラードHTの設定は5代目MS80〜90系からだが、現在のクラウンではHTがセダンを圧倒する売れゆき。
MS51型はその先達である。



1968年10月デビュー当時のフロントマスク。セダンの丸2灯に対しHTは角1灯。その脇にはサイドマーカーランプがつく。翌年のマイチェンではこのランプはなくなる。 SLのメーターまわり。コラムシフトが多いなかにあって、フロアシフトを採用。シフトレバー先には音叉時計が。 SLにはM型(1988cc‐0HC‐6気筒)をSUツインキャブでチェーンした125PS/5800rpmのエンジンを搭載。

諸元  トヨタ クラウンHT・SL
エピソード
フルサイズ初のHTで個人ユーザーの拡大を図る

MS51型は法人需要が大半を占めていたフルサイズクラスに初の2ドアハードトップをラインアップし、個人ユーザーの増大を図った点が特筆される。
メインカラーも法人向けの黒を避け、「白いクラウン」で売り出した。
スタイリッシュなボディも話題となり、ヒットモデルとなった。

    
カーマニアには「白いクラウン」で通じるMS51型のリアスタイル
 
 エンジン 
   種類/型式
   ボアxストローク
   総排気量
   圧縮比
   最高出力
   最大トルク
   燃料供給装置
   燃料タンク容量
 トランスミッション
   型式
   変速比 1/2/3
         4/5/R
   最終減速比
 シャシ
   ステアリング
   サスペンション    前
               後
   ブレーキ       前
               後
   タイヤ
 ディメンション&ウェイト
   全長x全幅x全高
   ホイールベース
   トレッド     前/後
   最低地上高
   室内長x幅x高
   車両重量
   乗車定員
 車両価格(当時)
     120.0万円

直6・SOHC/M−B
75.0x75.0mm
1988cc
8.8
]25ps/5800rpm
]6.5kgm/3800rpm
SUキャプx2
60リットル

4MT
3.673/2.114/1.403
1.000/−−−/4.183
4.111

RB
ウィッシュボーン/コイル
4リンク/コイル
ディスク
LTドラム
6.95−14 4PR

4610x1690×1420mm
2690mm
1370/]380mm
]85mm
]810x1420x1100mm
1295kg
5名
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