日本のスポーツ車 1960〜1990



第37回  トヨタ カリーナ1600GT
(TA12型)1971年4月


最高速=185km/h (レギュラーガソリン仕様は180km/h)
(カタログ値)



”足のいいやつ”を誇るスーパー2ドアセダン。

 セリカのメカニカル・コンポーネンツを用いて開発されたパーソナルセダンが、カリーナである。
直線基調のシャープなラインをもつセミファストバック・スタイルを採用し、リアコンピネーションランプも端正な縦長デザインを採り入れた。
エンジンは1400ccのT型4気筒OHVと1600ccの2T型、ツインキャブ仕様の2T−B型を設定している。
 このカリーナにホットバージョンの1600GTが加えられたのは、71年4月のことだ。
エクステリアは、4気筒OHVを積む2ドアモデルとほとんど変わっていない。
スケルトンタイプのワイパーや砲弾型ミラー、165HR13ラジアル、オーナメントなどがわずかに異なる程度である。
 が、パワーユニットはセリカ1600GTと同じ2T-G型DOHCが移植され、豪快な走りを披露した。
ボア85.0mm、ストローク70.0mmのショートストロークタイプで、総排気量は1588ccになる。これにソレックス40PHHキャブを2連装して115PS/6400rpm、14.5kg/5200rpmを絞り出す。
当時の1600ccスポーティカーとしてはトップレベルの高性能と言えるだろう。
 サスペンションはマクファーソンストラットとラテラルロッド付き4リンク/コイルの組み合わせで”足のいい奴”を誇示した。
カリーナ1600GTは後にハードトップを加え主役の座から降りた。だが、渋好みの大人のGTは、やはりセダンGTにとどめを刺す。



フロントグリルのGTバッジが高性能の証し。 5連メーターが並ぶダッシュボード。
タコメーターは7000rpmからレッドゾーンとなる。
セリカGTのデビューから6ヶ月してカリーナの2ドアセダンに載せられた2T‐G型1600ccD0HCエンジン(115PS)。レギュラー仕様(110PS)も用意されていた。


主要諸元 トヨタ カリーナ1600GT( )はレギュラー仕様
●バリエーション
1974年1月 カリーナHT2000GT
  公害対策を施した2000ccの18R-G型145psエンジンはハードトップのみに載せられ、205km/hの最高速(レギュラー仕様は140psの200km/h)を誇った。2T‐Gを積む1600GTはセダン/HTに用意されていた。2000GTの価格は124万6000円。
    
 エンジン 
   種類/型式
   ボアxストローク
   総排気量
   圧縮比
   最高出力
   最大トルク
   燃料供給装置
   燃料タンク容量
 トランスミッション
   型式
   変速比 1/2/3
         4/5/R
   最終減速比
 シャシ
   ステアリング
   サスペンション    前
               後
   ブレーキ       前
               後
   タイヤ
 ディメンション&ウェイト
   全長x全幅x全高
   ホイールベース
   トレッド     前/後
   最低地上高
   室内長x幅x高
   車両重量
   乗車定員
 車両価格(当時)
       81.8万円

直4DOHC/2T-G
85.0x70.0mm
1588cc
9.8〈8.8〉
115PS/6400rpm〈110/6000〉
14.5kgm/5200rpm〈14.0/4800)
ソレックスキャプx2
50リットル

5MT
3.587/2.022/1.384
1.000/0.861/3.484
4.111

RB
ストラット/コイル
4リンク/コイル
ディスク
LTドラム
6.45−H13−4PR

4155x1570x1385mm
2425mm
1280/1285mm
170mm
1720x1320x1130mm
960kg
5名

●当時のエピソード

 1600ccDOHCの2T-Gエンジン搭載車はセリカの940kgに対し、945kgと車両重車は5kg増し。
カタログ記載の最高速もセリカの190hm/hに比べ、5km/h低い185km/hに抑えられていた。
が、足回りなど、その他は全く同一で、走り自体はなんらセリカに劣るところはなく、81万8000円とセリカより5万7000円安い価格はスタイルを重要視しなければ買い得ともいえた。
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