日本のスポーツ車 1960〜1990



第38回  ミニカ スキッパーGT
(A101型)1971年5月


0→400m=19.8秒
(カタログ値)



GTO旋風が生んだ、こしゃくなクーペ。

 70年代はスペシャルティ軽自動車の時代だった。
ホンダZが先陣を切って発売され、それを追うように各メーカーから個性的なクーペモデルが送り出されている。
三菱ではミニカ70をベースにした、キュートなファストバック・クーペを市場に送り込んだ。これがミニカ・スキッパーである。
 全体のシルエットは、大ヒット作となったギャランGTOと似たものだ。
ファストバック&カットオフテールを採用し、リアエンドを大胆に切り落としている。しかも後方視界を確保するため、ガラスハッチとリアコンビネーションランプの間にスモークドウインドーを組み込んだ。これがリアビューのアクセントになっている。
 また、フォグ内蔵のデュアルヘッドライトやリアクオーターピラーのベンチレーションルーバーなど、すべてがギャランGTOのスケールダウン版だった。
 トップグレードのGTは、砲弾型ミラーやセンタールーフアンテナなどを装備する。
インテリアも木目調パネルに3眼メーターを配すなど、スポーティかつラグジュアリーなムードだ。
 エンジンはミニカ70GSS譲りの2サイクル水冷2気筒の2G10-U型を積む。
10.0の高圧縮比とSUツインキャブ2連装で、38PS/7000rpm3.9kgm/6500rpmを発生するが、これは359ccの量産エンジンとしては驚異的なスペックだ。
GTO旋風が生んだ、こしやくなクーペが、ミニカ・スキッパーである。



全高1275mmは当時としてはかなり低いもの。ウエッジシェイプのキックアップラインが売りだった。
リアコンビネーションの上方には”スクープウインドー”と呼ばれるシースルーウインドーが設けられ、後方視界の助けとなっていた。
ウォールナットの木目パネルを使ったG丁のインバネ。7200rpmからレッドゾーンのタコメーターも用意されスポーツ度いっぱい。 フロントに縦置きされる直列2気筒2サイクルエンジンは359ccの排気量とSUツインキャブにより38ps/3.9kgmの性能を誇った。72年10月には4サイクルのバルカンエンジン(36ps)に換装されたスキッパーWに発展。


主要諸元 ミニカ・スキッパーGT
●オプション
 個性化時代に合わせて、スキッパーには3種類オプショナルパーツ・シリーズが用意されていた。
”ホットヒップ・バージョン”にはスポーツバイザーやエアスポイラー、シースルールーパ一などが。
”スポーツ・バージョン”にはボンネットメーターやノーズフィン、ヒール&トゥベダルが。
”メークアップ・パージョン”にはオーバーヘッドコンソールやボンネットスクリーン、スキッパーシャツ!!などが用意されていた。
 エンジン 
   種類/型式
   ボアxストローク
   総排気量
   圧縮比
   最高出力
   最大トルク
   燃料供給装置
   燃料タンク容量
 トランスミッション
   型式
   変速比 1/2/3
         4/5/R
   最終減速比
 シャシ
   ステアリング
   サスペンション    前
               後
   ブレーキ       前
               後
   タイヤ
 ディメンション&ウェイト
   全長x全幅x全高
   ホイールベース
   トレッド     前/後
   最低地上高
   室内長x幅x高
   車両重量
   乗車定員
 車両価格(当時)
       44.0万円

直2‐2サイクル/2G10
62.0x59.6mm
359cc
10.0
38ps/7000rpm
3.9kgm/6500rpm
S∪キャプx2
23リットル

4MT
3.576/2.096/1.359
1.000/−−−/4.271
5.134

RB
ストラット/コイル
5リンク/コイル
2Lドラム
LTドラム
]45SR10

2995x1295xl275mm
2000mm
1125/1080mm
145mm
1390x1120x1080mm
470kg
4名
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