日本のスポーツ車 1960〜1990



第47回  ニッサン バイオレットHT1600SSS
(KP710型)1973年01月


最高速度=165km/h
(カタログ値)



510譲りのしなやかな足にツインキャブ105PS。

 バイオレットは、ブルーバードUの下に位置するハイグレードなポピュラーカーとして73年1月に戦列に加わった。
ブルーバードの抜けた穴を埋めるモデルとして開発され、型式名710を与えられている。
これを見てもわかるように、バイオレットはブルーバード一族の末っ子モデルなのだ。
 ボディタイプは、2ドア/4ドアのセダンとパーソナルムードの2ドアHTで構成されている。
セダンは個性的なセミファストバック、2ドアHTはアイライン・ウインドーにファストバックを組み合わせ、ストリームラインと名付けられたウエストラインをデザインのポイントとした。
ちなみにセダン系は後方視界が悪いと不評をかったため、76年2月のマイナーチェンジを機に、オーソドックスなノッチバック・スタイルに改められている。
 エンジンは、ブルーバード510譲りのL型4気筒OHCを積む。
LM型エンジン(85PS)も設定されているが、主力となるのは1595ccのL16型4気筒OHCだ。
シングルキャブ仕様(100PS)のほか、SUツインキャブ仕様(105PS)と電子制御燃料慣射EGI仕様が用意されている。
1600SSS-EはEGIを装着し、115PS/6200rpm、14.6kgm/4400fpmを発生した。ポルシェタイプの5連ミッションを介しての最高遠は170km/hだ。
SSS系のサスペンションも、ストラット/セミトレーリングアームと、ブルーバードの形式を受け継いでいる。



逆Rガラスのリアウインドーの採用で、トランクリッドへの流れをスムーズに見せていた。SSS系のリアサスはセミトレ式独立となる。 丸型6連のメータ類が並ぶダッシュボード。3本スポークステアリングをSSS系に装備し、5速MTは直結パターンで1速が左下にくるタイプ。 SSSに搭載されたL16型直4エンジンは、SUツインキャブにより105PS/3.8kgmを発生。電子制御のインジェクション装着のL16E(115PS)はSSS-Eに載せられた。


主要諸元 ニッサン バイオレットHT1600SSS
●モータースポーツ
サファりを制した510ブルーバードの流れをくむ710バイオレットだけに、ラリーでも大いに活躍した。
74年11月にイギリスで開催されたRACラリーでは3台出走して全車完走し、チーム優勝を果たした。
  
 エンジン 
   種類/型式
   ボアxストローク
   総排気量
   圧縮比
   最高出力
   最大トルク
   燃料供給装置
   燃料タンク容量
 トランスミッション
   型式
   変速比 1/2/3
         4/5/R
   最終減速比
 シャシ
   ステアリング
   サスペンション    前
               後
   ブレーキ       前
               後
   タイヤ
 ディメンション&ウェイト
   全長x全幅x全高
   ホイールベース
   トレッド     前/後
   最低地上高
   室内長x幅x高
   車両重量
   乗車定員
 車両価格(当時)
         79.0万円

直4・SOHC/L16
B3.0x73.7mm
1595cc
9.0
105PS/6400rpm
13.8kgm/4000rpm
6Uツインキャブ
55リットル

5MT
3.382/2.013/1.312
1.000/0.854/3.570
4.111

RB
ストラット/コイル+スタビ
セミトレ/コイル
ディスク
LTドラム
6.45S-13-4PR

4120x1580x1375mm
2450mm
1310/1320mm
170mm
1720x1285x1120mm
985kg
5名

●エピソード

610型ブルーバードとB210型サ二ーの中間に位置する車として登場したバイオレットは、ストリームラインと呼ばれるダイナミックなプレスラインが特徴的だった。
スピード感のある近代的なスタイルはスポーティな車を強調するための演出である。
2ドアハードトップと2ドアセダン、4ドアセダンの3種のボディをラインアップ、1400〜16000ccまでに31のパリ工一ションを用意した選択幅の広さも売りの一つとなっていた。
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