日本のスポーツ車 1960〜1990



第54回  ミツビシ ランサー1600GSR
(A73型)1973年08月


最高速度=175km/h(カタログ値)
0-400m=10.35秒(テスト値)



優れた馬力荷重とバランスの良さでラリー界を席捲。

 ギャランLの下のポジショニングを与えられたポピュラーカーがランサーだ。デピューは73年1月で、バイオレットと同じ時期に発表されている。
スタイリングは、ロングノーズ&ショートデッキのエアロノーズラインを基調に、直線と曲線を織り混せた個性的なものだ。
リアもタテ長のリアコンビネーションランプを組み込み、テールエンドを大胆にカットするなど、目を惹くデザインだった。
 デピュー当初はファミリーユースを意識したモデルばかりだったが、その年の夏にホットバージョンのランサー1600GSRが道伽されている。
これはサターンのニックネームをもつ4G32型4気筒OHCにツインキャブを装着した俊足2ドアセダンだ。
クロスフロー半球形燃焼室を備えた高効率の4G32型1597ccエンジンの圧縮比を9.5に高め、SUツイン装着によって、最高出力110PS/6700rpm、最大トルク14.2kgm/4800rpmを得ている。
5連MTを駆使すれば、825kgのボディを175km/hまで引っ張る実力を秘めていた。
 サスペンションはストラット/リジッド・リーフというオーソドックスなレイアウトだ。だが、そのポテンジャルはすば抜けて高かった。
足のよさは国際ラリーを席捲したことで証明された。第8回サファリ・ラリーでも総合優勝を果たし3位までを独占した。
騎士道華やかな時代の「槍騎士(ランサー)」を思わせる、男のスポーツセダンがランサー1600GSRだ。



サファリ−ラリー優勝を記念して1974年5月に100台限定発売されたラリー・ランサーには4点式フルハーネスシートペルトとフットレスト、電流/油圧/電圧計が装備された。写真はワークス仕様のフル装備車 16000ccサターンエンジンはストロンバーグ・ツインギャプにより110PS/14.2kgmのパワーを発生。レプリミットは7000rpmでストレスなく軽快に回った。 ランサー誕生の半年後に追加されたツインキャプ仕様のGSRは2ドアのみの設定。74年10月に横L字のテールランプにMCされ76年11月には横型フロントグリルに変更された。


主要諸元 ミツビシ ランサー1600GSR
●モータースポーツ
73年、オーストラリアでのサザンクロス・ラリーで勝利を納めたランサーGSRは翌年の東アフリカ・サファリ・ラリーでも、初出場ながら総合優勝を飾り、シャシバランスや耐久性、信頼性の高さを誇示した。
エンジン性能、1600ccSOHCで110PS/14.2kgmは決して有利なスペックではなく、ランサーか活躍できたのは、海外、国内ラリーとも、まだ工ンジンチューニングの許された時代だったからに他ならない。
  
 エンジン 
   種類/型式
   ボアxストローク
   総排気量
   圧縮比
   最高出力
   最大トルク
   燃料供給装置
   燃料タンク容量
 トランスミッション
   型式
   変速比 1/2/3
         4/5/R
   最終減速比
 シャシ
   ステアリング
   サスペンション    前
               後
   ブレーキ       前
               後
   タイヤ
 ディメンション&ウェイト
   全長x全幅x全高
   ホイールベース
   トレッド     前/後
   最低地上高
   室内長x幅x高
   車両重量
   乗車定員
 車両価格(当時)
        71.0万円

直4・SOHC/4G32
76.9x86.0mm
1597cc
9.5
110PS/6700rpm
14.2kgm/4800rpm
ストロンパーグギャプx2
45リットル(ハイオク)

5MT
3.238/1.955/1.341
1.000/0.854/3.054
4.222

RB
ストラット/コイル
リジッド/リーフ
ティスク
LTドラム
155SR13

3965X1525X1360mm
2340mm
1275/1255mm
165mm
1690x1275x1120mm
825kg
5名
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