日本のスポーツ車 1960〜1990



第55回  トヨタ スプリンタークーペ1600トレノGT
(TE47型)1974年04月


最高速度=190km/h(カタログ値)
0-400m=16.60秒(テスト値)



排ガス規制にもまれながら生き残った2T-G。

 世界のベストセラーカーであるカローラの3代目がベールを脱いだのは、74年4月のことだった。
奇しくも同じ時期、ドイツでは後のライバルとなるVWゴルフが発表されている。
3代目カローラは”30(さんまる)”のニックネームで登場した。これは3代目カローラとスプリンターの車両型式が、KE30/TE30であったことからシリーズ名として用いられたものだ。
 ボディタイプは多彩で、カローラは2ドアと4ドアのセダン、そしてスタイリッシュな2ドアHTを設定している。スプリンターは4ドアセダンと2ドアのクーべを設定した。
この30型ではカローラとスプリンターの差別化が一段と明確になり、とくにスポーティモデルではプレスラインも変えている。
 ホッテストバージョンのレビンとトレノもまったく異なるシルエットに生まれ変わった。
カローラの2ドアHTをベースにしたレビンは、センターピラーを取り去った軽快なHTフィーリングをセールスポイントにする。これに対しトレノは、ロングノーズ&ファストバックのスベシヤルティカー的な雰囲気を狙った。
ヘッドライトを後退させ、ロングノーズを強調するなど、若さがほとぱしるルックスとなっている。型式はレビンがTE37、トレノGTがTE47だ。
 インテリアも先代モデルより格段にグレードアップされた。レビンは8連メーターを独立させたゴージャスなT型ダッシュボード、GTを名乗るトレノはメーターとコンソールを一体化したスポーティなコクピットである。
とくにトレノGTはセンタークラスターをドライバー側に振るなど、デザイン的にも新しい試みを数多く採り入れた。
ベンチレーションもセンターベンチレーションとなり、快適性に関しても先代モデルを問題にしない。
 エンジンは先代モデルと同じ2T‐G型DOHCで、2種類のチューンがある。
プレミアムガソリン仕様は1588ccで115PS/6400rpm、14.5kgm/5200rpmを発生。レギュラーガソリン仕様は110PS/6000rpm、14.0kgm/4800rpmと、わずかにパワーダウンされている。
キャブレーションは例によってソレックス40PHHキャブ2連装だ、。ミッションは5速MTが標準となる。
サスペンションは、フロントがストラット/コイル、リアがリーフスプリングによるリジッドアクスルを踏襲した。タイヤは175/70HR13ラジアルを履く。
 このレビンとトレノGTは、排ガス規制の荒波にもまれ、75年11月に借しまれつつ姿を消していく。だがそれから14カ月後に、レビン/トレノの名を冠したFRライトウエイト・スポーツが復活する。77年1月、トヨタはカローラ/スプリンターのマイナーチェンジを行なった。このときにハードモデルが再びカタログに加えられたのである。
 マイナーチェンジを機に、レビンの2ドアHTが消滅し、スプリンター・トレノをベースにしたクーペボディが与えられた。これは76年1月に登場したカローラLB(リフトバック)のフロントマスクを、スプリンター・ク一ペのボディに組み合わせたものだ。また、ベーシック仕様のレビン/トレノとラグジェアリー仕様のGTの2モデル構成となり、カローラLBにも2T-GEU型をドッキングしたスポーツワゴン、カローラLB1600GT(スプリンターも同様)が設定された。
 エンジンは電子制御燃料噴射EFIを装備した2T‐GEU型DOHCだ。排ガス対策を施しながら、かつての2T‐GR型並みの性能を実現している。
最高出カ110PS/6000rpm、最大トルク14.5kgm/4800rpmを発生し、ゼロヨン加速も16.5秒を可能にした。これは、当時の2000ccモデルを上回る実力だ。
 排ガス規制とオイルパニックによって走る楽しみが乏しかった時期、若者に夢を与えてくれたのが.2代目のカローラ・レビン&スプリンター・トレノである。



175/70HR13ラジアルを装着するためトレッドも広がっている。リアのコンピネーションランプもトレノの特徴だった。 ソレックスのツインキャブを装着して115PSのパワーを発生する2T-G型1600D0HCエンジン。圧縮比を8.8に下げてレギュラーガソリン仕様にした110PS版もあった。 8連メーターでスポーツ性をグンとアピール。フットレストも用意されていた。


主要諸元 トヨタ スプリンタークーペ1600トレノGT
●カタログ
1974年4月に3代目カローラにフルチエンジされ、”さんまる”と呼ばれるボディはセタンとハードトップでレビンはHTに設定された。しかし、77年月のマイナチェンジでクーペボティが追加されると、レビンは二ちらのクーぺにのみ設定されることになった。
   
 エンジン 
   種類/型式
   ボアxストローク
   総排気量
   圧縮比
   最高出力
   最大トルク
   燃料供給装置
   燃料タンク容量
 トランスミッション
   型式
   変速比 1/2/3
         4/5/R
   最終減速比
 シャシ
   ステアリング
   サスペンション    前
               後
   ブレーキ       前
               後
   タイヤ
 ディメンション&ウェイト
   全長x全幅x全高
   ホイールベース
   トレッド     前/後
   最低地上高
   室内長x幅x高
   車両重量
   乗車定員
 車両価格(当時)
        108.1万円

直4・DOHC/2T-G
85.0x70.0mm
1588cc
9.8
115ps/6400rpm
14.5kgm/5200pm
ソレックス・ツインキャプ
50リットル(ハイオク)

5MT
3.587/2.022/1.384
1.000/0.861/3.484
4.300

RB
ストラット/コイル
リジッド/リーフ
ティスク
LTドラム
175/70HR13

4070x1600x1300mm
2370mm
1320/1335mm
150mm
1605×1345x1065mm
935kg
5名

●当時のインプレッション
初代の27レビンはハードー一点張りのジャジャ馬だったが2代目の37レビン、47トレノではホイールベースが延びたこともあって、コントロール性が大きく向上している。とはいえ、限界域では強いアンダーステアに手を焼く。
2T-G型エンジンは、レギュラーガソリン仕様でもレスポンスはシャープだ。2000回転台から太いトルクを発生し、それが6000回転オーバーまで持続する。FRならではの奥の深い走りも楽しめる1台と言えよう。

●バリエーション
 1977年1月 TE61型スプリンター・トレノ
   
 約2年間市場から姿を消していたトレノは、50年規制を飛び越して51年クリアで復活した。エンジンはEFIを装着する2T-GEU型となり、パワーは110PS/14.5kgmになった。価格は130.2万円。


 1978年4月 TE65型スプリンター・トレノGT
   
 三元触媒により53年規制をクリアした2T-GEU型を搭載したトレノ。ラジエターグリルを変更し、アルミホイールがオプション設定された。パワーは115PS/15.0kgmにアップされた。価格は据置き。

 1977年1月 TE51型カローラクーペ・レビンGT
   
 51年規制をクりアしたレビンは、その時新たに加わったクーペボティにその名をひきついだ。その後78年4月の53年規制クリアの時はTE55型に型式変更されている。

1974年4月 TE37型カローラHT1600レビン
   
 30型になって登場したレビンはスプリンターがクーぺボディなのに対してハードトップボディに2T‐G型115PS(レギュラー仕様は110PS)エンジンを搭載していた。価格は101.0万円。

●エピソード
TE37レビンはHT/TE47トレノはクーペ
3代目はレビン/トレノの車名により型式名称、ボディスタイルか異なる。レビンがTE37型を名乗り、カローラのハードトップから独立しているのに対し、トレノはTE47型と呼称れ、スプリンターのクーペボディをべースとしていた。エンジンは2T‐G型DOHCのみで、プレミアム仕様とレギュラー仕様があった。トレノには、より豪華装備のGTもラインアップされた。2T‐B型搭載のSRはレビン/トレノと呼ばれない。

53年クリアの2T-Gは115ps
53年排ガス規制をクリアした2T‐GEU型DOHCユ二ットは115PS/6000rpm、15.0kgm/4800rpmとパワーアップされ、ツインキャブ仕様の旧2T‐G型(115PS/6400rpm、14.5kgm/4600rpm)にスペック上、並んだ。これによりレビン/トレノは従来のスパルタンさを取り戻し、なおかつ、トルクアップと最高出力が400回転も下で発生するエンジン特性により、市街地での扱いやすさ、燃費の向上をも得たのである。

50年規制で一時姿を消したレビン/トレノ
2T‐G型は50年排ガス規制に伴い、75年の11月に廃止され、レビン/トレノの名はカタログから姿を消すことになる。51年排ガス規制では型式がTE51/61型に変わり、ホットバージョンは排ガス対策を施Lた2T-U型(90ps)に統一された。が、77年1月のMCでレビン/トレノが復活。2T‐G型エンジンはEFI化により排ガス規制をクリア、2T‐GE∪型(110PS)となってスパルタンマシンの再デビューを実現した。
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