日本のスポーツ車 1960〜1990



第61回  トヨタ スターレット1300S
(KP61型)1978年4月

最高速=146.94km/h  0-400m=17.92秒(5ドアSE・テスト値)



ハードサス装備の”S”はリアルスポーツカー。

  最終型のスターレットにまで継承された2ボックススタイルが確立されたのが、ここで紹介するセカンドジェネレーション
 のKP61型スターレットだ。
  その最も基本的な開発コンセプトは、もちろん小型大衆車としての機能性を追求することにあったのだが、トヨタは
 当時にスポーティグレードとしてSモデルを設定し、好評を博している。
  搭載されたエンジンは1300cc直列4気筒OHVの4K−U型。
 72PS/5600rpmの最高出力も相当にに魅力的な数字だったが、さらにスターレット1300Sの評価を絶対的なもの
 と したのはわずか710kgに抑えられた車重だった。
 サスペンションも従来型からのフルモデルチェンジ伴って大きくその構成を変化させている。
 フロントは一般的なマクファーソンストラットだが、リアには4リンク式が新たに与えられることになった。
 ステアリングはラック&ピニオン方式。現在では普通の機構だが、実にトヨタが量産車種の分野でこれを採用するのは
 トヨタ2000GTを別格とすれば、少量生産のこのスターレットが最初の試みであった。
  スターレット1300Sの走りは軽量なボディと素直なハンドリング特性に象徴される。
 このSグレードに装備されたタイヤは13インチ、さらにサスペンションもハードセッティングとされていたため、ワィンディ
 ングロードでの走りは純粋なスポーツカーに近いフィーリングにまとめられていた。
 モータースポーツシーンでの活躍は周知のとおりである。




大型のブラックバンパーがSの特徴。
ジヴジアーロがオリジナルデザインをしたと噂されるポデイは、サイズも旧型より小さく、約65kg軽い。
エンンンは旧型の3K-U/1166ccからストロークを拡大し、4K-U/1290ccとなった。72PSながらホイールスピンも可能だった。 スポーティ仕様のSだけがアルミ風のダッシュパネルを与えられている。
ステアリングはラック&ピニオン。



主要諸元 トヨタ スターレット1300S
●広 告

広告にもさかんにモータースポーツシーンが使われたが、このKP61はレース入門車として長い間親しまれてきた。残念なことだが、90年一杯をもって車両公認期限を満了、一部の特例を除いてサーキットからは姿を消した。
90年11月17日〜18日、FISCOで行われた富士フレッシュマンレースの第8戦では、「さよならスターレットKP61」と書かれたゲートが用意され、最後の戦いを終えたマシンが1台1台退場していき、花束と盛大な拍手で有終の美を飾った。
         
  エンジン 
    種類/型式
    ボアxストローク
    総排気量
    圧縮比
    最高出力
    最大トルク
    燃料供給装置
    燃料タンク容量
  トランスミッション
    型式
    変速比 1/2/3
          4/5/R
    最終減速比
  シャシ
    ステアリング
    サスペンション 前
              後
    ブレーキ      前
              後
    タイヤ
  ディメンション&ウェイト
    全長x全幅x全高
    ホイールベース
    トレッド    前/後
    最低地上高
    室内長x幅x高
    車両重量
    乗車定員
  車両価格(当時)
          151万円

直列4気筒OHV/4K-∪
75.0x73.0mm
1290cc
9.0
72PS/5600rpm
10.5kgm/3600rpm
キャプ
40リットル

5MT
3.789/2.220/1.435
1.000/0.865/4.316
3.583

R&P
ストラット/コイル
4リンク/コイル
ディスク
LTドラム
145SR13

3725x1525x1370mm
2300mm
1280/1275mm
150mm
1700x1270x1115mm
710kg
5名

※出力はグロス表示
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