日本のスポーツ車 1960〜1990



第64回  ホンダ プレリュードXR
(SN型)1978年11月

最高速=153.52km/h  0-400m=18.69秒(テスト値)



気分はスポーツのプライベートスペシャリティ。
 78年の11月にホンダから発売されたプレリュードは、あらゆる意味で衝撃的なデピューを飾ったモデルだった。
まずプレリュードという車の位置付け自体が、当時の日本車では非常に珍しい存在だった。
プレリュードは純粋なスポーツカーでもスヘシャリティカーでもなく、完全にプライベートカーとしての完壁な割り切りがこの車の各部に現われていた。
 直線を基調とした2ドアクーペボディもその一例だ。
オーソドックスなクーペスタイルとしながら、室内は前席回りの居住性を最優先した造り。
ワイド&ローにまとめられたスタイリングは、この割り切りが可能にしたものと考えても間違いではない。
 このXRに搭載されたエンジンは、1750ccの直列4気筒SOHC。
最高出力は90PS/5300fpmと発表されたが、これも当時として非常に魅力的な数字だった。
組み合わせられたミッションは5速MTと3連AT。シャシ回りでは前後輪にスタビライザーを備えた独自のストラット式4輪独立懸架が採用されるなど、機構面での話題もなかなか大きかった。
 日本で新しいセグメントを確立したばかりでなく、トータル機能に優れた走りを満喫できるスポーツモデルとして登場したプレリュードは、その後の日本車に大きな影響を与えた。
まさに70年代終盤の日本車を語る上では欠かせない存在である。



スピードメーターとタコメーターを同心円に配したメ‐タ‐が特徴的なインパネ。 小さなキャビンでフロント優先シートのため、リアシートは、ほんとにプラス2だった。写真は豪華仕様のXEだがオプションでコノリーレザーも用意されていた。
 
エンジンはアコードと同じ1800ccCVCCで90PS(5速)、パワフルとはいい難い。マイチェンではVCC-Uに変わり5PSほどアップした。

 
ストラット/コイルの足固り、R&Pステアリングは形式こそアコードと同じだが別物。FWDのクセを感じさせることの少ない優れたハンドリングを実現した。



主要諸元 ホンダ プレリュードXR
  エンジン 
    種類/型式
    ボアxストローク
    総排気量
    圧縮比
    最高出力
    最大トルク
    燃料供給装置
    燃料タンク容量
  トランスミッション
    型式
    変速比 1/2/3
          4/5/R
    最終減速比
  シャシ
    ステアリング
    サスペンション 前
              後
    ブレーキ      前
              後
    タイヤ
  ディメンション&ウェイト
    全長x全幅x全高
    ホイールベース
    トレッド    前/後
    最低地上高
    室内長x幅x高
    車両重量
    乗車定員
  車両価格(当時)
        138万円

直列4気筒OHC/EK
77.0x94.0mm
1750cc
8.0
90ps/5000rpm
13.5kgm/3000rpm
キャプレタ
50リットル

5MT
3.181/1.842/1.200
0.896/0.718/3.000
4.615

R&P
ストラット/コイル
ストラット/コイル
ディスク
LTドラム
175/70SR13

4090x1635x1290mm
2320mm
1400/1410mm
160mm
1690x1350x1035mm
900kg
4名

※出力はグロス表示
●エピソード
プレリュードは、その名の通りに新世代のホンダ車の前奏曲だった。次のニューシビックには、プレリュードのシャシ、工ンジンマウント、メーターがぽとんどそのまま組み込まれている。プレリュードは動力性能を別にすればそのハンドリング/足回りは、当時の代表的スポーツカーに勝るとも劣らなものを持っていて、ホンダ技術のショールームのようなクルマといえた。
inserted by FC2 system