日本のスポーツ車 1960〜1990



第74回 マツダ ファミリアXG
(BD105型)1980年6月

最高速=158.42km/h 0-400m=17.84秒(テスト値)



ボーイズレーサーのブームはXGから始まった。

 80年の6月に発表された新世代のファミリアは、基本的にほそれまでのスタイリングコンセプトを継承しながら、完全なボクシースタイルで人気を集めたモデルだ。
現在では空力特性の追求が重要な開発課題になっているため、ここまで強く直線基調を打ち出した車は少なくなりつつあるが、当時はまだまだ直線的なスタイリングの人気は絶大だった。
 このXGグレードは、そのファミリアの中でも最も人気の高かったモデル。
搭載されたエンジンは1490ccの直列4気筒SOHCで、その最高出カは85PS/5500rpm。動力性能の点では、当時のクラスではごく一般的な値だったのが、前後ともにスタビライザーを待つサスベンションは、FWDモデルのそれとしては画期的な味わいを示してくれた。
ともかくファミリアXGの走りを語るには、素直という言葉が最適。FWD車らしい癖が失われたことはある意味では残念だったが、このファミリアの成功以降、FWDモデルの操縦性に対して、各社ともに積極的な姿勢を見せるようになったのは印象的だ。
 もちろん小型車種としての実用性も十分に追求されている。フルフラット+リアリクライニングシートなど、このファミリアに採用された新機構は実に多彩だ。
83年1月には電子燃料噴射を採用、さら同年の6月にはターボモデルが設定されるといったように、続々と魅力的な車種が追加されていったのも、この時代のファミリア人気を象徴している。


XGでは各ピラーを黒塗りすることで、完成度の高い2B0X‐FFのスタイリングにスポーティムードを加えることに成功した。 オーソドッタスなタッシュボード。XGには専用の太めのステアリングホイールがついた。 エンジンルームはこの写真でみるほど実際はゴチャゴチャしていない。横置きFFは、他の国産FFと違い右側に置かれている。
 ●カタログ

83年1月のマイチェン後、6月にターポ/115psモデルの追加時に刷られたカタログ。
ターポをバッタにウインドサーフィンが舞い、RVとしてのファミリア、若者向けのファミリァが強くイメージされている。
実際、屋根の上にポードやスキー板をのせるとよく似合った。
また、後づけのドアミラー車が爆発的に増えたのはファミリアからだ。


主要諸元 マツダ ファミリアXG
  エンジン 
    種類/型式
    ボアxストローク
    総排気量
    圧縮比
    最高出力
    最大トルク
    燃料供給装置
    燃料タンク容量
  トランスミッション
    型式
    変速比 1/2/3
          4/5/R
    最終減速比
  シャシ
    ステアリング
    サスペンション 前
              後
    ブレーキ      前
              後
    タイヤ
  ディメンション&ウェイト
    全長x全幅x全高
    ホイールベース
    トレッド    前/後
    最低地上高
    室内長x幅x高
    車両重量
    乗車定員
  車両価格(当時)
        103.8万円

直列4気筒OHC/E5
77.0x80.0mm
1480cc
9.0
85ps/5500rpm
12.3kgm/3500rpm
キャプレタ(2ステージ2バレル)
42リットル

5MT
3.416/1.947/1.290
0.918/0.775/3.214
3.850

R&P
ストラット/コイル
ストラット/コイル
ディスク
LTドラム
175/70SR13

3955x1630x1375mm
2365mm
1390/1395mm
150mm
1705x1310x1115mm
820kg
5名

※出力はグロス表示
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