日本のスポーツ車 1960〜1990



第86回 ニッサン パルサーEXAターボ
(N12型)1983年5月

最高速=176.47km/h  0-400m=17.82秒(AT車テスト値)



一見ミッドシップ。実は伝統のFFスポーツ。
 日産初のFF車チェリーの跡を継ぐ形で登場したパルサーは、82年4月に最初のフルモデルチェンジを迎えるが、その時に登場したのが斬新なスタイリングで話題を振りまいたEXAだ。
EXAはこのクラスの国産車としては初の、ドアミラーを装備。
ウエッジシェイプの2ドアポディには、クリフカット風リアウインドーが採用され、一見ミッドシップ的なフォルムを作り出していた。
 デピュー時のEXAのエンジンは、NAのE15のみ。
最高出カはEGI版で95PSだったが、それでも800kg台の軽量ボディのおかげで走リは軽快そのものだった。
データ的にも最高速が171.02kg/m、0→400m加速が16.88秒で、クラストップの水準といってよかった。
 しかしEXAの俊敏さをより際立たせたのは、83年5月の車種追加で登場したターボモデルだ。
E15Eにターポを装着したE15ETは、ノンターポ版の最高出力を20ps上回る115psを発生。
最大トルクも4.5kgmアップの17.0kgmとなりカ強さを倍増した。
モーターマガジン誌のテストデータによると3ATながら最高速は176.47kg/h、ゼロヨン17.82秒を記録した。
実際のフィーリングは当時のターボエンジンらしく、過給が立ち上がるまでのタイムラグが大きく、しかも効きかたも唐突だったが、マニュアル・ミッション車なら0→400mを15秒台に突入させる絶対パワーは、スポーツモデルとしてのEXAの魅力をより大きなものとした。
またターボはバワーアップに対応して、シヤシ回りの強化も行なわれ、ブレーキも8インチブースターつきの4輪ディスクが与えられていた。




インパネはHBポディのパルサーターポSと同じデザインを採用。EXAとパルサーとの差異はまったくなかった。
ターボ車には専用のパケットタイプのスポーツシートが装備される。シートクッションやシートバックの形状も変更されていた。
今では当り前のドアミラーだが、正式に認可されたドアミラー車は82年4月登場のEXAが国産では最初だった。
リアウインドーのぽぼ垂直に立ち切ったデザインは、まるでミッドシップに見える。トランクのリアもダックテールを採用し、リアスポの効果を狙っている。

●バリエーション

パルサーのネーミングを冠したEXAだが、外観的には他の兄弟車とまったく異なる独特な車として護生。エンジンは1500ccOHCにEGIを装備し、95PSの出カを発揮。軽量ポディの利を生かして軽快な走りが楽しめた。

●広 告
ニューパルサーの広告キャラクターは、デザイナーの森英恵とサザンの桑田。若者の心をつかむ作戦で、当時のキャッチフレーズには”ファンタステイック”が多用されていた。


主要諸元 ニッサン パルサーEXAターボ
 エンジン 
    種類/型式
    ボアxストローク
    総排気量
    圧縮比
    最高出力
    最大トルク
    燃料供給装置
    燃料タンク容量
 トランスミッション
    型式
    変速比 1/2/3
          4/5/R
    最終減速比
 シャシ
    ステアリング
    サスペンション 前
              後
    ブレーキ      前
              後
    タイヤ
 ディメンション&ウェイト
    全長x全幅x全高
    ホイールベース
    トレッド   前/後
    最低地上高
    室内長x幅x高
    車両重量
    乗車定員
 車両価格(当時)
         157.3万円

直4SOHCターボ/E15ET
76.0x82.0mm
1467cc
8.0
115PS/5600rpm
17.0kgm/3200rpm
EGI
50リットル

5MT
3.333/1.955/1.286
0.902/0.733/3.417
3.789

R&P
ストラット/コイル
トレーリングアーム/コイル
ディスク
ディスク
175/70SR13

4125x1620x1355mm
2415mm
1395/1375mm
160mm
1605x1370x1100mm
885kg
5名

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