日本のスポーツ車 1960〜1990



第94回 トヨタ ソアラ3.0GTリミテッド
(MZ20型)1986年1月

最高速=231.88km/h  0-400m=14.62秒(テスト値)



国産最高速をマークしたハイソカーの頂点。
 1986年1月のフルモデルチェエンジで2代目となったMZ20型ソアラは、よりパワーを増し、さらなる豪華な仕様で登場した。
3000cc車は4連ATだけの設定だったが、’87年1月の改良では新開発の5連MTが組み合わされ、快適性だけでなくスポーティ性も高められている。
国産3000ccクラスのパワーアップ競争の口火を切った7M‐GTEU型はパワートルクが230PS/33kgmという、当時、国産最強のスベックを誇っていた。
どちらかというとダンナ仕様ともいえる3.0GTリミテッドに対して、コードネームGZ20型の2.0GTツインターボは低回転城でのパンチカこそないものの3000rpmを超えてからはシャープな加連性能を発揮するスポーツ・クーペだ。
3.0GTリミテッドの走行性能は4連ATで238.41km/hの最高速と14.78秒の0-400m加速を叩き出している。
このスベックは5速MTより良く、トヨタのECTの完成度の高さを認識させるものであった。
サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーンが基本で、新開発の電子制御エアサスを捨載するモデルも用意されていた。
工アサス仕様はパワーに対してアンバランスで、スポーツ性ではメカ・サスの方が上だ。
一方の2.0GTツインターボは3000cc車と同じサスベンションを持ち、回頭性の良さとスポーティなハンドリングが楽しめる。
88年1月のマイナーチェンジでは7M‐GTEUは10PSアップし240PSに、1G-GTEは25PSアッブの210PSとなった。
デピユー当初から「常に最上、最強であること」が求められてきたソアラにとって、このパワー・アッブはいわば当然のことであった。



トヨタの最高級パーソナルクーペだけあって、スエード調の柔らかな雰囲気のインバネ。3000cc車には手元でエアコン、オーディオが操作できるサテライトスイッチ付き。
230PSの7M-GTEUはM型エンジンの究極であり、日本一のパワーユニットであった。

●バリエーション
1986年1月 ソアラ2.0GTツインターボ(GZ20)

直6DOHCツインターポの1GーGTEUを搭載する2000ccソアラの最強バージョン。185PS/24.5kgmのパワーとトルクで、225.35km/h、15.51秒の最高速&ゼロヨンをマーク。こちらは2000ccクラス最速の記録ホルダーとなった。

1989年1月 ソアラ・エアロキャビン

500台限定で発売されたオープン・ソアラ。ルーフとリアウインドーを電動で座席後部に格納する。88年1月に240PSにパワーアップされた7M-GTEUを搭載し、少ない台数もあって即日完売状態。現在では中古市場にも、まず出回らない希少価値のあるソアラ。京都では何回も見かけるのだが。ある意味、現行ソアラのコンセプトはこんなところにあった?


主要諸元 トヨタ ソアラ3.0GTリミテッド
 エンジン 
    種類/型式
    ボアxストローク
    総排気量
    圧縮比
    最高出力
    最大トルク
    燃料供給装置
    燃料タンク容量
 トランスミッション
    型式
    変速比 1/2/3
          4/5/R
    最終減速比
 シャシ
    ステアリング
    サスペンション 前
              後
    ブレーキ      前
              後
    タイヤ
 ディメンション&ウェイト
    全長x全幅x全高
    ホイールベース
    トレッド   前/後
    最低地上高
    室内長x幅x高
    車両重量
    乗車定員
 車両価格(当時)
         447.9万円

直6DOHCターボ/7M-GTEU
83.0x91.0mm
2954cc
8.4
230PS/5600rpm(ネット)
33.0kgm/4000rpm(ネット)
EFI
70リットル

4AT
2.804/1.531/1.000
0.705/−.−−/2.393
3.727

R&P(パワー)
ダプルウイッシュボーン
ダプルウイッシュポーン
Vディスク
Vディスク
215/60R15

4675x1725x1345mm
2670mm
1460/1455mm
155mm
1620x1415x1105mm
1500kg
5名
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