日本のスポーツ車 1960〜1990



第97回 ニッサン RZ-1ニスモ
(B12型)1986年8月

最高速=181.58km/h  0-400m=15.88秒(テスト値)



クーペボディを架装したトラッドサニー。
 この時期、不振が続く日産車の中で、ひときわ息を巻いていたのがB12型トラッド・サニーだ。
奇をてらわない端正なスタイリングや経済性に優れたエンジンなど、大衆車としてバランスが良く、人気が高かった。
RZ‐1はそのクーペ・モデルで、1986年2月に投入された車だ。
エンジンやシャシといったメカニズムからインパネやシートのデザインにいたるまですべてセダンからの流用であり、スベシャリティ・カーとしては安易といえるもので、動カ性能はもとよりドライバビリティや限界性能などあらゆる視点から見て、決してスポーティとはいいがたい。
はっきりいって、外観のみの雰囲気を大切にした廉価なパーソナル・クーペでしかなかったのだ。
搭載エンジンはE15E型1500ccSOHCと、ターボを装着したE15ET型があり、ターボ車はグロスで100PS/16kgmとまずまずのスペックだ。
86年8月には、セダンなどと同様に新開発のCA16DE型ツインカムエンジンを搭載するタイプA/B及びNISMOの3グレードが追加された。
この4気筒エンジンは同時期に台頭してきたトヨタの4A-G、ホンダのZCなど1600ccDOHCバトルに投入されたユニットだった。
だが最高出カも120PSと控えめでかなり非力さが目立った。
スポーティバージョンのNISMOは、日産のモータースポーツ・ディビジョンであるNISMO製のエアロパーツやバケットシート、ホワイトメーターなどを装着した見てくれのカッコイイ仕様である。



ニスモ製本革巻きステアリングやホワイトメーターなどでスペシャリティ色を出したニスモバージョン。
日産初の1500ccツイン力ムとなったCA16DEを搭載。このエンジンを得て、RZ-1もスポーティーカーらしくなる。

直線を基調としたエッジの効いたテザインは明らかに若者層を意識したものであった。
NISMOバージョンは硬目に設定されたハードサスペンションを備え、185/60サイズのタイヤもあってコーナリング性能自体は高かった。


主要諸元 ニッサン サニーRZ-1ニスモ
 エンジン 
    種類/型式
    ボアxストローク
    総排気量
    圧縮比
    最高出力
    最大トルク
    燃料供給装置
    燃料タンク容量
 トランスミッション
    型式
    変速比 1/2/3
          4/5/R
    最終減速比
 シャシ
    ステアリング
    サスペンション 前
              後
    ブレーキ      前
              後
    タイヤ
 ディメンション&ウェイト
    全長x全幅x全高
    ホイールベース
    トレッド   前/後
    最低地上高
    室内長x幅x高
    車両重量
    乗車定員
 車両価格(当時)
         173.0万円

直4DOHC/CA16DE
78.0x83.6mm
1590cc
10.0
120PS/6400rpm
14.0kgm/5200rpm
ECCS
50リットル

5MT
3.063/1.826/1.286
0.975/0.810/3.417
4.471

R&P(パワー}
ストラット/コイル
ストラット/コイル
Vディスク
ディスク
185/60R14

4230x1655x1335mm
2430mm
1425/1425mm
140mm
1615x1370x1105mm
1050kg
4名
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