第1話 姿なき挑戦者

「地球は狙われている。宇宙に漂う幾千の星から、恐るべき侵略の魔の手が」
(オープニングナレーションより)

夜の検問。警官に誘導され、1台の白い車が止まった。
「免許証を」「どちらまで?」「車検証も」事務的に処理する警官。
ドライバーが車検証を見せようとしたその時、フラッシュと共にドライバーが消えてしまった。
「人間が消えたんだ!」

地球防衛軍のレーダーが回っている。
極東基地内の格納庫。ウルトラホーク1号から3号まで待機している。2号は横向きに寝かされた状態で置かれている。
キリヤマが参謀室に呼ばれた。襟を正し入室するキリヤマ。
参謀室には5人の参謀が揃っている。ウルトラ警備隊に人間消失事件を依頼するためだ。
参謀の5人は、この事件は宇宙人の仕業と見ての依頼だった。

ナレーションでウルトラ警備隊のフルハシ・ソガ・アマギ・アンヌの紹介がされる(内容は「登場人物」の通り)

警報が鳴り、ウルトラ警備隊の5人は本部に招集された。
キリヤマが切り出した。「敵はついに我々地球防衛軍に対して挑戦状を叩きつけてきた!」
パトロール中の防衛隊員2名が自動車ごと消されたというのだ。消された地点は基地のすぐ近くだ。
フルハシとソガが現場に赴く事になった。
基地内のポインターに乗り込み、ハイウェイを走る。


クール星人
ポインターが山道に差し掛かると男が飛び出してきた。
男は道の真ん中に立ち、ポインターを止める。
「こら!どいたどいた!ヒッチハイクの相手をしている暇はないんだ!」
少し脅かすつもりでポインターのグリル部から煙幕を出すフルハシ。
男は煙の中に消え、してやったりとポインターを走らせようとするフルハシ。しかしなぜか後輪がスリップしてなかなか走らない。
「おかしいなぁ。おい、もっと吹かしてみろ」不思議がるフルハシとソガ。
「ハハハハハ、ハハハハ」
いつの間にかポインターの天井に座り込んだ男が、2人を見て高笑いをしていた。
「おい君!我々の邪魔をすると承知しないぞ!」
「邪魔だなんてとんでもない。その逆ですよ、ソガ隊員」男はソガの事を知っているようだ。
ソガばかりでなく、男は2人がウルトラ警備隊員で、ソガが射撃の名手や、フルハシが怪力の持ち主など言い当てた。
「あなた達の命を助けてあげようと思ってさっきからここで待っていたんです」
命が惜しければここから先へは言ってはならないと男は言う。
そこへ警察のパトカーが通りかかった。
男はパトカーの警官にもこの先に行くなと言うが、警官は聞く耳をもたず、フルハシとソガに挨拶だけをして先に行ってしまった。
その矢先、突然空から光の弾が飛んできて、パトカーを直撃!パトカーは消えてしまった。
「あれほど言ったのに。今、ウルトラ警備隊が相手にしているのは恐るべき宇宙人だ。奴らは地球を侵略するのに数年前から実験用の人間の標本を集めていたんだ。だが今や奴らは次の行動に移ろうとしている。なぜだと思いますか?地球防衛軍、いやあなた達ウルトラ警備隊が行動を始めたからです。どんな恐ろしい手段を使うかもしれません。気をつけてください」
男は言い切った。
「君はいったい何者なんだ?」
「ご覧の通り風来坊です」
「名前は?」
「名前?そう、モロボシ・ダン、とでもしておきましょう」
くーるせいじんのさいご
byてらす
こんな感じだったんだもん・・・


そこへ再び空から攻撃。光弾が3人を襲う。負傷するフルハシとソガ。ダンの目には透明な宇宙船が見えた。
ダンは二人を抱え、ポインターへと避難する。
「そのボタンでバリアを張るんだ」
バリアで何とか攻撃をしのぎ、ソガはビデオシーバーで本部と連絡を取った。
ダンは負傷した二人を乗せ、本部へとポインターを走らせる。

(ここでCM)

参謀室でキリヤマと5人の参謀が話し合っていた。
そこへ敵からのメッセージが入ってくる。
「地球防衛軍の諸君。即座に武装解除をして我々クール星人に全面降伏せよ」
「地球防衛軍はこの極東基地だけではない!人類がそうたやすく地球を見捨てたりしない!」
「人類なんて我々から見れば昆虫みたいなもんだ。これを見るがいい」
クール星人とのやりとりの後、消された人々がモニターに映った。人質にするつもりのようだ。
「断る!」参謀が言い放った。
その横でフルハシが一人つぶやく。「モロボシ・ダンの言った通りだ・・・」

京浜工業地帯が攻撃された。炎上するコンビナート群。クール星人の攻撃が始まった。
しかし宇宙船が見えない。
「手も足も出ないのか?」悩む参謀陣。
「ダンはどうなの?あなたの地球が攻撃されているのよ?」アンヌがダンに助言を求めた。
「一つだけある。敵の宇宙船を見えるようにするんだ」
ダンの提案で、特殊噴霧装置が作成され、それを搭載したホーク1号が飛び立った。

ホーク1号は格納庫から特殊噴霧装置を発射!
自動飛行方式の特殊噴霧装置は、赤い煙を撒きながら蛇行して飛んでいった。
すると雲の向こうから赤く着色された敵の宇宙船が出現!。
ホーク1号は3機に分離し、三方から攻撃を開始する。
しかし敵に大きなダメージを与える事ができない。
再度合体し、逃げる敵を追いかけるも、逆に攻撃を受け、ホーク1号は不時着してしまう。

隠れていた敵の宇宙船が2つに割れ、中から小型の宇宙船が数機出てきた。
小型船は執拗にホーク1号を攻撃してくる。
不時着のショックから目覚めたダンは外に出て攻撃をかわし、カプセル怪獣・ウインダムを出して応戦した。
ウインダムは振り回した腕と頭部のビームで2機を撃墜するが、残りの小型船が合体し、ウインダムに集中攻撃をかけくる。
合体攻撃は頭部を直撃し、ウインダムはカプセルに戻された。

ダンは岩場からジャンプするとセブンに変身。逃げる小型船を追いかけ、本体の宇宙船を見つける。
宇宙船内に進入したセブンは操作室を発見。頭部のエメリューム光線でここを破壊する。と、背後にクール星人が!
セブンは振り向きざまアイスラッガーを投げ、クール星人は一撃で真っ二つにされ、あっけない最期を遂げた。
さらに奥へ進んでいったセブンは、捕らえられた人々を発見。しかし人々を閉じ込めた無重力の部屋は簡単に壊せない。
セブンは横にあるスイッチを破壊し、人々を開放。捕らわれていた人々はウルトラ警備隊に保護される。
ふいに開放された人々が叫んだ。「あ、あれはなんだ!?」
そこには宇宙船を運ぶセブンがいた。
セブンは宇宙船を押したまま飛び去り、宇宙空間へ。
地球から遠く離れた場所まで来て宇宙船を爆破し、セブンは再び地球へ帰っていった。

ウルトラ警備隊基地。
「いやあ、今度の事件になくてはならなかったのは、あの風来坊だな」とフルハシが言うと、「そういえば彼、どこにいったのかしら?」とアンヌが答えた。
そこへ参謀達が入室してくる。隊員は全員姿勢を正す。
「紹介しよう。モロボシ・ダン隊員だ」


第1話 終わり








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